卒論を20日間で書いた話

 概ねタイトルの通りです。もうちょっと詳しく言うと、卒論のデータが提出期限一ヶ月を切った時点で全て飛んで三週間で分析含めて一からやり直した話です。なお、当方四年制大学文系学部生です。好きなあんスタキャラは伏見弓弦です。
 まあネットで調べたら三週間どころか十日間だの一週間だので終わらせるメソッドとかテクニックとかざらに出てくるんで切羽詰まってる人はそっち参考にしてください。いやここに書いてあること参考にしてくれても構いませんけどこれ別にアドバイス的な記事ではなくただの覚書なのでそんな画期的なことは書いてないし鵜呑みにして失敗しても何の責任も負えませんし信じるか信じないかは貴方次第です(都市伝説???)

 初期ステータスとしましては、
・テーマは決まっている
・先行研究の論文が数本手元にある
という状態です。
 ここ決まってれば何とかなる、逆に言えばここ決まってないとマジでしんどいからどうせ自分はギリギリにならねえと卒論に手つけねえなという自覚がある諸氏はここだけでも早いうちに決めとこうマジで。これは来年以降卒論に直面する三回生以下に向けてのメッセージです。

 

 

これまでのあらすじ

 卒論のテーマを考えないとなあという意識が芽生えたのは五月とかそこらだった気がします。「何となくだけどこんな感じのことやろうかな~~」レベルでした。これもうドラえもんのオープニングと変わらんレベルですからね、「空を自由に飛びたいな~」と同レベルですよ。「はい、タケコプタ~~!」って的確なレスポンスを返してくれる相手がいないこと考えたらこっちのがひどいですよ。
 で、就活が終わって、夏休みですよ。まあめちゃくちゃ遊びますよね。知らんよ卒論なんて、頭の片隅にもなかったよ。ドラクエ11も出ましたしね。卒論どころじゃないですよ、世界の命運が私の手にかかっとんやぞ。PS4のグラフィックの美麗さに恐れおののきながらマルティナのスキルポイントをお色気に全振りしてセクシービームを打ちまくる日々ですよ。伏見弓弦ランボも来たしな。完凸しました。初めて2000位以内に入った。最高のJPEGをありがとうハッピーエレメンツ。
 九月下旬。そろそろテーマをちゃんと決めるかとぼんやり思い始めました。ちなみに私のゼミでは私を除いた全員が夏休み入る前にテーマ決まってました。皆偉いですね。
 十月上旬。教授に「こんな感じのことやりたいと思ってるんですけど~~」って相談に行きました。マジで頭出しって大事なのでテーマ決まったらなるたけ早く教授に言っといた方がいいですよ、そんで実現可能かどうかの見解を訊いといた方がいいです。まあ偉そうに言ってますけど、これ私以外は夏休み入る前に終わらせてる作業なんですよね、ハハッ。
 十一月上旬。中間報告会がありました。ちなみに私は十月上旬に教授に何となくの方針話したことで満足してしまいこの一ヶ月何もせずに過ごしました。ドラクエ11はやってました。鍛冶が楽しくてな。
 報告会当日、皆A4サイズで三、四枚のレジュメを持参してたんですけど、私はA4サイズ一枚で、紙面も六割ぐらいしか埋まっていませんでした。この時点でもうガバガバです。ただ幸か不幸か昔から口だけはよく回ったので総アドリブでさも研究をしっかり進めているかのように話をしてしまったんですよね。実際は何もやってないです。さすがにちょっと焦ったので報告会終了後に半日かけて研究の方針を決めて、で、さらに一日かけて先行研究の論文を三つぐらい探しました。分析に使うデータも集め始めました。使おうと思ってたデータが全部使えなかったり何だったりでまあまあ背筋が冷えました。ちゃんと下調べしておかないとこういう大事なことにこの時期に気づきます。さすがにやべえなと思ってそれなりに真面目にデータ収集を始めました。
 十二月中旬、集めたデータが飛びました。皆、バックアップは多重に取っておこうな。
 これ自慢でも何でもなくむしろただの恥なんですけど、私全然専門科目を真面目に勉強してこなかったんですよね。なので、全くもって本格的というか専門的な分析ができない。参考書読んでも基礎知識がないからもう何が何だか分かんないんですよ。だから、前述の「半日かけて決めた研究の方針」ってのも一言で言ってしまえば『質の低さを量で誤魔化す』だったんですよね。
 もう冷や汗止まんないですよ。量で誤魔化すつもりでいたのにその「量」が消えたんですからね。ちょっと何が起こったのか分からなくてしばらく呆然としてたんですけど、ようやっと現実を認識して普通に泣きました。だってもう三週間切ってるんですよ。数えたら提出日まで残り二十日でした。データが消えた以上当初予定してた「量」でごり押す構成は考え直す必要があります。ここから構想練り直して分析して文章書かなきゃいけないってぬるま湯に浸かってきた人間にとってあまりにしんどい。なお世間はハチャメチャにクリスマスムードです。
 いやぶっちゃけ頑張れば同じデータ作り直せたと思うんですけど、当時もう気力がなかったんですよね。一ヶ月ぐらい断続的に地味な作業を続けてきて、それもっかいやる気にならんかったんですよ。当方、苦手分野は「コツコツ」と「努力」です。むしゃくしゃしてあんスタに二万ぐらい課金しました。ずっと欲しかった☆5が出てちょっと元気出ました。メリークリスマス。最高のJPEGをありがとうハッピーエレメンツ。なお年明けは死線を彷徨っていたので餅は普通に集まりませんでした。
 年末年始は卒論とソシャゲを9:1ぐらいの割合でこなしていました。ソシャゲはほら、スタライでトリスタに落ちた身としては☆5全員揃えなきゃと思って……。ウィンターライブ、ストーリーもスチルも最高のイベントでした。
 提出日の三日前、パソコンがブルスク状態になりました。データ全部飛ぶという経験もしたことだしもう何があっても驚かねえぞと思ってましたけど普通に変な汗が止まらなくなりました。中身が死んで外身も死んだってどういうこっちゃねん。満身創痍ってレベルじゃねえぞ。まあこれに関してはUSBにバックアップ取ってあったので何とかなったんですけどね。


二十日間で卒論を書いた話

 本題です。二十日間で卒論を書いた結果得た知見の話をします。
 てか前置き長く書き過ぎたな、むしろ経緯がメインみたくなってしまったな。
 大事なことを言っておきますけれど、日常的に論文書いてる人間ならまだしも私みたいなこの度初めて論文を書くことと相成った人間が短期間で書く論文のクオリティなんてたかが知れてますからね。もうはじめてのおつかいみたいなもんですよ。はじめてのろんぶん。
 まあとにもかくにも「出せりゃいい!!!卒業がしてえ!!!」という人向けの内容です。評価を得たい人はきちんと計画的に書こうな。
 以下内容です。日本人は何か知らんけど物事を三つに纏めるのが好きなので(私調べ)三つに纏めます。


① 書く上での心構え

 日本人は何か知らんけど(中略)三つに纏めます。
 一つ目。『高みを目指さない』。
 いや当たり前だよね。目指すんならもっと早くから手をつけろよ。
 何かこう、新しい発見をしようとか今までにない提言をしようとかそういう考え最初に捨てようねって話です。普通に考えて無理だって、今まで何もしてこなかったお前に今更二十日間で何ができるってんだよ、身の程を知ろうよ。Done is better than perfectって言うじゃん。あれだよ。我々の目的はあくまで『定められた期限内に定められた形式に則った論文を定められた場所に提出しきちんと受理される』ことですからね。家に帰るまでが遠足であるように受理されるまでが卒業論文です。
 二つ目。『形式を重んじる』。
 論文の書式、絶対に確認しような。文字のポイント数、余白、字数制限……挙げてったらキリがないけどきちんと確認しとこうな。提出形式も絶対に絶対に確かめような。ファイルをメールで送るのか印刷したものをホチキス止めするのか印刷したものをファイルに綴じるのか製本が必要なのか、提出場所はどこなのか、受付日時はいつなのか。紙に書いて目につくとこに貼っとこ。これ間違えたら論文が書き上がってたとしても少なくともそれは『卒業要件を満たすための卒論』としての価値を持たなくなってしまう。世界は非情ですよ。
 私は年明けてから初めて確認したんですけど(遅……)、提出日と提出形式間違えて認識してました。あぶな……。
 三つ目。『教授に縋る』。
 最終手段にして絶対正義はこれですよ。私は〆切十五日前に『こういう手法使ってこういうことやろうと思うんですけどやり方におかしいとこありますか?』というメールを送り、さらに〆切五日前に『この分析結果の解釈どうしたらいいか分かんないんですけどこれってどういうことですか?』と研究室に訊きに行きました。年末年始に大変お世話になりました。
 これは三回生以下に向けたメッセージですが、教授とは日頃からコミュニケーション取っておこうな。


② 実際に踏んだ手順

 以下私が実際に踏んだ手順です。これがベストってことはないと思うけどいかんせんサンプルがこれしかないので私が正義です。
 日本人は(中略)三つに纏めます。

1)テーマ決めと先行研究集め
 個人的におすすめなのは、先行研究のデータを新しいものに改めた上で同じ分析して変化を見ることです。何故おすすめかというと私がそういう論文を書いたからです。何せ「はじめてのろんぶん」だからこれしかサンプルがなくてこれ以外のおすすめができないんだよ、ごめんな。でも楽だよ。しかもそれなりにまともっぽく見えるのでコスパが良い。研究の意義も言いやすい。古いデータだと現代の状況を反映しているとは言い難いのでデータ新しくしてやり直しました!って言えばいいので。
 ただ注意点があって、このパターンで行くなら先行研究のデータの出典だけはきちんと確かめとかないと事と次第によっては死にます。個人では入手できない(もしくは事前に開示申請が必要な)資料を使ってたり、独自のアンケート調査をもとにしてたりする論文、ざらにあるからな。あったんだよマジで。これは経験則に基づくアドバイスです。
 先行研究の集め方の話をします。Google scholarとかCiNiiとか大学図書館のデータベースとか使って、自分のテーマに沿った内容の論文で、比較的新しい年のものを見つけます。そしたら後は、そこで参考文献として挙げられてる論文を片っ端から検索して集めていきます。参考文献の参考文献ぐらいまで見れば結構集まる。私が証明です。もしネットにPDF形式で公開されてたら悪いことは言わないから即保存してクラウドとかに同期しとこうね。

2)分析と考察
 時間がないから焦る気持ちはハチャメチャに分かるんだけど、分かるんだけど、だからこそ何をするかの筋道をきちんと決めとかないと後がしんどい。本当にしんどい。分析の途中で「この先行研究だけじゃなくてこっちの先行研究の内容も混ぜてみたら本文伸ばせるんじゃない?」とか思い始めたらもうダメです。悪魔の囁きです。先に言っとくけどその目論見上手くいかないよ。何故なら論文のキメラが上手くできる能力のある人間はこんなアホみたいな記事途中で見切りつけて読むのやめてるからです。
 まず、構成云々以前に分析します。分析結果出さなきゃ構成なんか考えらんないよ。とりあえず上述した手順で集めた論文の中から使ってる手法とか資料とかを見て一番自分の手に負えそうなものを選びます。くどいけど資料の出典はマジでちゃんと見ような、自分で入手可能かどうか確かめとかないと後で泣きを見るからな。それと、選ばれなかった残りも使うので取っといてください。
 で、この段階で選んだ論文の手法に基づいて分析をします。結果が出たら、ここでさっきの選ばれなかった論文を取り出します。自分の分析と似たような結果になってるものとそうでないものに分けます。何か説明がどんどん料理番組みたいになってきたな。後は似たような結果が出てる論文とそうでない論文それぞれを簡単に紹介したうえで、自分の分析との相違点を述べて、何で似た(違う)結果が出たのかについて自分なりの考察を加えます。思ったような結果が得られなかったら、何で思ったような結果が得られなかったのかを考察すればいいんだよ。間違っても思ったような結果が得られなかったからって結果弄ったりするなよ。事と次第によっては地獄を見るぞ。

3)執筆と推敲
 考察ができたら執筆!満を持して執筆!結論出てないのに書き始めるととっ散らかるからここまでは綺麗な文章にするのは我慢しといた方がいい。私は箇条書きとかメモ書き程度で留めときました。
 アドバイスとしましては、序論から書こうとすると詰みます。以上。
 表紙とか目次とか参考文献とかのインフォメーションからにしよう。特に参考文献とかは書き漏れがあると大問題だから都度記入してこう。事実を羅列するのは結構楽だから分析結果とかも書きやすいんじゃないかな。私はインフォメーション→分析概要→分析結果→結論→アブストラクト→序論の順に書きました。書いたってか、埋めたって言った方が正しい気がする。埋めました。
 で、何が大事って立ち止まらないことです。「これおかしくない?」と思ってしまった時点で泥沼なんですよね~~~そういうのは執筆に入る前の段階で各自済ませといてください。『書かなきゃいけないこと』をバーッと書き出して論文のフォーマットに沿って並べて思いつくとこから埋めてくのがおすすめです。

 たとえばだけど、序論だったら
【背景】
【問題提起】
【研究の意義】
【分析概要】
【得られた知見】
【論文の構成】
 みたいに項目だけ挙げといて、埋められそうなとこから埋めてく……。論文のフォーマットはネットにいっぱい転がってるし、先行研究を参考にしてもいいんじゃないかな。

 一通り書けたら推敲です。ここマジで大事だからきちんと時間割いて。綺麗な日本語になってるか確認して。綺麗な日本語ってか、読みやすい日本語になってるかどうかを確認して。日本語ぐちゃぐちゃだと読んでて突っ掛かるんだよ、一度で文意が理解できないと読み返されてしまうのでそれに伴ってミスが発見されやすくなります。その点読みやすい文章だと「へ~そういうもんなんだな~~」って流し読みされる確率が高まる!!なぜなら日本語で突っ掛からないから!!読みやすい日本語を書いて相手に「内容が理解できたような気」になってもらおう!!!これも経験則です。


③ 卒論リスクマネジメント

 卒論書いてるときは不慮の事故が起こるもんだと思って生活した方がいい。いいか、体調不良になるかパソコンが死ぬかのどっちかは起こると思って生きて行けよ。これはマジです。
 バックアップはマジでマジで多重に取っとこう。DropboxとUSBとEvernoteGoogle Driveとかそんぐらいやっといてもいいよ。これに関してはやり過ぎて困るってことはないです。なおこの文章書いてる途中に一回パソコンフリーズして書いてた文章飛びました。(ま、学んでねえ~~!!)
 Wordは10分おきに自動保存する設定とかできるので長時間作業する(若しくは作業をする意思はあると誰にともなく言い訳でもするかのようにWordの画面を開くだけ開いておいてネサフをしている)人は是非設定しておきましょう。作業を終える際には必ず上記に上げたようなクラウドや外付けの機器に保存しましょう。本当に。パソコンいつ壊れるか分からんし、Dropbox気づいたら容量いっぱいになってて保存できてなかったとかね、ありますよ。ありました。カメラロール全部転送される設定にしてたんですけど、ソシャゲのスクショ撮り過ぎてて気づいたら空き容量真っ赤でしたよ。

 

 現場からは以上です。

 

 そうそう、私初めて知ったんですけど、このご時世20万ぐらいで卒論代行してくれるサービスもあるみたいですよ。「卒論 一週間 完成」で検索かけたら出てきました。検索ワードからも当時の私の限界感が伝わるのではないかと思います。限界でした。
 まあ実際にこのサービスを使ったわけじゃないんで、信頼に足るものなのかは判断しかねますし、どういうクオリティのものが返ってくるのかは分かんないし、信じるか信じないかは貴方次第です(都市伝説?????)